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zoom RSS セロの超能力革命

<<   作成日時 : 2005/07/04 08:31   >>

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 数日前にフジテレビで放送された特番を見る。まえはテレビ東京でよくセロ特集をやっていたが、フジに獲られてしまったのか。テレビ東京マニアの俺にとっては悲しいかぎり。

 それにしてもこの人の手妻は驚異的だ。札がガラスを貫通して向こう側に貼りつくのは以前も見たが、今回はガラスの中に硬貨が埋まりこんでしまう。俺はマギー司郎はおろか、パラデイやへたぢの手品も見破れないので、去年から大盛況の奇術をたてつづけに見たとき、彼らはきっと物質を瞬間移動させる秘法を発見したのだと、本気で思ってしまったほどだ。そしてそれは、三十年前に超能力とよばれていたものだ。
 セロは手のなかでポップコーンをはじけさせるが、手元にある『植物の神秘生活』という本を開くと、ユリゲラーについてのこんな記述がみつかる。「信頼すべき目撃者たちの前で、彼はバラのつぼみを一五秒余り両手で包むようにし、それから手を開くと、そのつぼみは輝くばかりの完全な花になっていた。」 当時はこのように、精神が物質を支配することこそ、人間中心主義を乗り越える可能性の一つと見做されていた。いまから考えると、それこそ人間中心主義だと思わざるをえない。けれども、七〇年代の対抗文化論の担い手のひとり、北沢方邦『近代科学の終焉』(1998)には、「真の空中浮揚や身体の不可視化などおどろくべき《超能力》も、高度の修行による気の巨大な蓄積と制御で可能となる」とまで書かれている。北沢は尊敬に値する思想家だし、この本も熟読すべき内容を含んでいるのだが、この発言はいただけない。かつて彼が礼讃した文化大革命が、対抗文化の精神とかけはなれた暴力の嵐にすぎなかったように、超能力もその使い手が人人をたぶらかすための道具にすぎないだろう。北沢は過去に本多勝一と意気投合し、本多の「殺す側」「殺される側」という言葉も、北沢がソシュールから応用した「――するもの」「――されるもの」という言葉から借りたらしいが、のち、週刊金曜日に書いた北沢の超能力擁護原稿を本多が強制的にボツにしたため、ふたりは絶縁状態に至ったという。
 八〇年代にはいってから、テレビで立花隆が中心になって、超能力者の清田君とかいうやつらを隠しカメラで監視し、インチキを暴く、という番組をやっていて、超能力なぞ見るよかよっぽど面白かった。じつは立花もスプン曲げを信じかけていたらしい。そのなかで、西川のりおと明石家さんまが、清田君のスプン曲げを見ながら、妙にしらけた態度をとっていて、俺は笑いをやるものは超能力ごときにまどわされてはいけないのだと、ふたりに感心したものだ。たしか大橋巨泉なんかも、似たような番組をやっていたように記憶する。その後なりをひそめていた清田君だが、しばらくして復活して、ポップな超能力者と称して、ビートたけしのオールナイトニッポンに出演し、たけしが真面目に超能力について語ったりして、俺はずいぶんと絶望を感じたものだ。そのころのたけしは、霊がみえるとかやたらいっていた。さんまが「たけしさんはオバケがでるから番組を休む」とからかったとき、たけしの時代はもう終わり、さんまに追い抜かれたと思った(もっとも当時の小林信彦が書いているように、たけしのオールナイトはいったんつぶれそうなまでに落ちこんでからまた盛り返すものだった)。
 それからよいよマリックだ。超魔術をひっさげ八〇年代末に登場した彼の存在は衝撃だったが、当時は奇術師より超能力者にちかい立場で現われていたようにおもう。マジックナポレオンズが、マリックのネタばらしという没義道な行為に及んだのも、超能力者ぶっているとの憤りからだったはずだ(いまマリックとナポレオンズがどうゆう関係にあるのか知りたい)。
 前田知洋の、物との戯れの極みともいうべきカードマジックをみると、これはいかさま博打から発生したのだろうなと思う。セロはマリックの延長上にいるようで、まったくおなじネタをやっていたこともある。けど路上パフォーマンス系手妻はどうなってるのか、まったく理解できない。ぜんぶやらせか特撮ではないのかとの疑念を抱く。けどまあ対抗文化論に思想的可能性をみる俺としては、超能力から超魔術になり、自然支配でない娯楽となった現在の不思議を純粋に楽しむものだし、米村でんじろうの科学実験も同じように楽しむものだ。対抗文化論はそれとはまた別に、自然と人間の関係を追求するものとして存在しなければならない。

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