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zoom RSS チャップリンの偉さ

<<   作成日時 : 2006/11/15 07:52   >>

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 バスターキートンは、チャップリン・ロイドと自分との違いについてこう述べている。《私の役柄は、乞食でもなければ、ロイドのような不適合者でもなく、仕事があれば最善をつくして、まる一日を棒にふってでもそれをやりとげようとして懸命の努力をする男だった。機関車を運転しなければならないとなると、汗水たらしてそれをやりとげようとするわけで、これがチャップリンだったら、簡単に近くの車庫に放りこんであとはかえりみない。私たち3人のいちばんかんじんな相違は、シチュエーションとかストーリーの展開がどうあれ、そういったところにあったと思う。》

 NHKでチャップリンの特集番組が放映されていて、すごく興味深かった。小学生ぐらいの頃、よく夏冬の休みのあいだに、NHKで夜の9:40から、チャップリン・キートン・ロイドの短編映画を放送していて、夢中になったものだ。チャップリンが死に、追悼番組で各局がほぼ毎日長編作品を放送したのも小学生の時分だ。「ライムライト」をみてみたら、いっこうにチャップリンがでてこず、がっかりしたおぼえがある。
 今回とくに面白かったのは、NGとして破棄されるはずだったフイルムをみることで、チャップリンがどのようなかたちで一本の映画を撮りあげたかがわかるというところ(ちなみに番組に出ていた日本人のチャップリン研究者の主宰する劇団を数年前にみたけれど、つまらなくて途中で帰ってしまったことがある)。何度も何度も撮り直し、気に入らない場面をつくりかえ、まるでちがった映画になってしまうのだ。
 その肉体を駆使したすばらしい芸のかずかずをまとめて見ることができるのはしあわせだ。無声時代の映画のギャグは、現在ではアクションになっているのだろう。少年時代に喜劇をこよなく愛した俺が、いまではアクション映画に心ときめかせているのは、当然といえる。
 「モダンタイムス」はガンジーとの対話から生みだされたものらしい。ここでなぜチャップリンが浮浪者だったかを思い、冒頭のキートンのことばを思い出す。やみくもに努力すること、がむしゃらに頑張ることによって、体制に奉仕してしまうという結果を拒み、頑張りすぎないこと、怠惰であることによって、チャップリンは時代の抑圧に抵抗したのだ。これは現在ではきわめてエコロジカルな生活態度ともいえる。番組はそうした彼の人間愛と抵抗精神のあらわれを、「独裁者」にみる。当時の亜米利加では、ヒトラーを英雄視する風潮があり、映画撮影への妨害もあったという。そんなチャップリンが共産主義者とよばれ、のちに亜米利加を追放される。それはまるで「モダンタイムス」で、車から落ちた赤い旗を振っているうちに、街頭行進の指導者と間違われ、逮捕される場面を彷彿とさせる。番組を見終わった感想は、やっぱりチャップリンは偉い、というものだった。
 ところで、チャップリンは「ライムライト」のキートンの出演場面をばっさり切り棄ててしまったときくが、この部分は残されていないのだろうか。

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
はじめまして、こんばんは!
「チャップリン」で検索して来ました。

社会風刺も鋭くメッセージ性の高い彼の素晴らしい作品の数々は、喜劇というジャンルではとてもくくることが出来ませんね。
まさに天才です!
私も今回、「街の灯」を記事にしました、よかったら一度いらして下さいませ〜ではまた!
ルーシー
URL
2007/01/06 00:13
コメントありがとうございます。記事拝見しました。たしか「街の灯」に、禿頭を間違えて食べようとする場面があったと思います。むかしあそこで大笑いしました。
闘いうどん
2007/01/06 07:29

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