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zoom RSS 横山大観展

<<   作成日時 : 2008/02/11 22:49   >>

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 長野五輪の記念500円貨が何枚かあって、死蔵してても付加価値はつかないから使ってしまおうと思って、食堂で飯を食ったあと出したら、店員が500円玉ではないと突っ返してきた。カチンときたので、よくみろとまた差し出したら、しばらく眺めてやっと得心したという出来事がすこしまえにあった。むかし百円札をだしたら、アルバイトらしい会計の女の子が泣きそうな顔で上司に相談していて、申し訳ないことをしたと反省したものだ。

 銀座のコインフェスタに足を運んだ。どうもあまり盛り上がっていない。子供のころは夢中で切手や切符や貨幣紙幣を収集したものだが、いまやこうしたものにはほとんど価値がつかないようだ。専門店も見かけなくなった。乱発されすぎで集めるほうも嫌になったのだろう。東京五輪の千円銀貨はかつては一万円の価値があるといわれたのに、いまじゃ百円貨とあわせて3000円が相場になっている。切手収集に費やした無駄な時間、というグルーチョマルクスの言葉が骨身に沁みる。しかしテレホンカードなんていまだに発行されてるんだな。

 テレビ「新日曜美術館」で歌川国芳を特集していた。俺は子供のころから国芳の絵が大好きで、見れば見るほど、知れば知るほど、調べれば調べるほどその実力と才能、作品世界の素晴らしさが判ってくるのだ。今回はその作品の一部が西洋の民族誌の銅版画を模写していたのだと知り、また驚く。
 番組ではさらに集合人体画をじっさいの人間で復元するという試みをやっていたが、これはまんま「探偵!ナイトスクープ」のパクリだろう。いいのか、NHK?
 国芳について書きたいことは山ほどあるが、北斎・渡辺崋山・国芳を主人公にした「夏の盛りの蝉のように」というすばらしい芝居があったことを記しておこう。あとむかしの芸術新潮で、「マンガの目線で芳年を読む」という物凄く面白い企画があった。血みどろ絵でおなじみ月岡芳年作品には、現代漫画の表現技法が多用されているとの指摘に驚愕したが、これにはやはり師匠である国芳の影響も強いのではないかと、あらためて思わされた次第だ。

 さて、国立新美術館で横山大観展を。先月大丸で開かれた近代日本画展にも大観の絵があり、その偉大さに打たれたばかりなので、これはやはり足を運ばないわけにゆくまい。
 危惧していたことなのだが、館内は大衆でいっぱい。この大衆的エネルギーを悪との闘いに利用すれば、凄い力になる、とわけもなく大興奮してしまったほどだ。これらの大衆もまた、大衆ながら大観を体感したいと願っているのだろう。
 それにしても、霧に霞む山や瀧、薄雨にけぶる町、千千にみだれる波のかたちを切り取った風景は美しいの一言に尽きる。こうした技法も、朦朧体とよばれ非難されたという。しかしこれこそが日本文化の粋なのだ。
 ほんとうの美の拠りどころを解さぬバカが多く、腹が立つ。かくして、今日も日本文化は、大観によって守られた。

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コメント(6件)

内 容 ニックネーム/日時
こんにちは、国芳の記事でトラックバックがあったのでビックリして喜んでいます!今日山手線に乗っていたら目白に切手博物館?というビルがあって、そういえば昔集めてたなあ(今も押入に大事にしまってあるけど)と思い出しました。切手収集など昔の言葉になってしまったのでしょうかね?
torikera3
URL
2008/02/16 19:33
コメントありがとうございます!
切手の博物館、目白にありますね。入ったことはありませんが。昭和三十年代以後に発行された切手や貨幣は、買取もしてくれないそうです。
国芳の絵はとっても素晴らしいです。やっぱり戯画が一番かな。
闘いうどん
2008/02/17 07:21
トラックバックありがとうございます。(気づくのが遅くてごめんなさい)
「朦朧体」って、大観を非難する言葉だったのですね。大観が昔は非難されていたとは知りませんでした。恥ずかしいことです。

ほんとうの美の拠り所、って一体何なのでしょうね。当時大観を非難していた人たちと、今、大観を偉大だと思う私たちの美の定義は相容れないですが、
美の定義が時代によって移り変わるということは、絶対的な美の拠り所とは人間の中に本来備わっているものではないのかも知れません。
そう思うと、現代において偉大だと言われる芸術家を非難していた過去の人々を、一概に切り捨てることもできないな、と私は思います。

長いコメントですみません。ありがとうございました。
安本丹丸
URL
2008/03/10 20:21
コメントありがとうございます。新しいものが出現したとき、それが人人にあたえる感覚は受け入れがたい違和としてあらわれるけれども、やがて標準的な価値として定まってゆくと、美の定義は一変してしまう、という感じでしょうか。現在のわれわれの感覚も普遍的でなく、制度化されたものにすぎないのかもしれませんね。
闘いうどん
2008/03/11 06:31
TBありがとうございます。当方、腰痛でお返事遅くなりました。
大観にとって、良い時代になる前の五浦時代の絵が結構好きになりました。
我が儘にアートから力をもらって楽しんでおります。
あべまつ
URL
2008/03/20 22:49
コメントありがとうございます。私も腰が痛くなることがたまにありますが、大変ですよね。快癒されることをお祈り申し上げます。
闘いうどん
2008/03/21 07:35

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