聖なるブログ 闘いうどんを啜れ

アクセスカウンタ

zoom RSS 東京サンシャインボーイズ「ショー・マスト・ゴー・オン」

<<   作成日時 : 2010/04/08 07:41   >>

トラックバック 0 / コメント 0

 ここんとこしばらくてんやわんやの毎日だったけれど、気になっていた事柄のひとつがいい結果に終わり、やっと本格的な悪徳商法との闘いにのりだせるめどがついた。

 さてのびのびになっていたけれど、先月テレビ放送された東京サンシャインボーイズの超傑作「ショー・マスト・ゴー・オン」について書かねばなるまい。1994年に上演されたもので、俺はとうじ教育テレビで放送されたのを見て大感激し、録画を10回は見たのだが、ビデオを人に貸してそれっきりになってしまっていたのだ。
 「12人の優しい日本人」は映画でしか観てないから、三谷幸喜(幸吉)の舞台を観たのはこのときが最初。以後テレビやDVDでは数本観てるが、ナマでみたことはない。切符が取れないのだ。

 だがナマ幸吉ならいちどだけ観たことがある。新国立劇場で芝居を観たあと、外へ出たら、幸吉がいたので、跡を尾けてみたのだ。
 タクシー乗り場まで行って、ウロウロして、道に迷っていたのかまた元へ戻って、と、その姿はまるでそれはかつて東京駅の新幹線切符売場で見かけた小田晋先生をほうふつとさせるものだった。

 今回放送されたのを見ると、以前見た録画はだいぶ編集されてたようで、近藤芳正扮する制作の大瀬さんがなぜ注射を打てるかという意外な理由をはじめて知ることができ、ほかにもかなり笑える場面が削られていたのだとわかる。まさに完全版というべきものだろう。
 幸吉はこの作品を、黒沢明の台本「暴走機関車」に刺激されて思いついたという。止まらないものをどうやって止めるかという物語が、止まりそうな芝居を止めてはならないという物語に巧みに変身させて、ノンストップアクションともいうべきスリリングな作品に仕立てあげているのだ。

 舞台は、三億人劇場なる劇場の舞台袖。ここでは劇団萬を率いる老名優、宇沢萬(佐藤B作)による「萬マクベス」がいままさに開演されようとしており、裏方による準備作業がつづいている。
 いつ死んでもおかしくない宇沢座長だが、気力と体力をふりしぼり、公演は好評のまま中日を迎えているのだ。
 しかもこの日にかぎってさまざまな人物が袖中に現われ、しっちゃかめっちゃかになりそうになる。
 それでもやり手の舞台監督、進藤(西村雅彦)は開演中迫りくる怒涛の困難をつぎつぎと切り抜けてゆくのだ。

 まさに芝居の教科書ではないかと思えるぐらいよく出来た脚本。幸吉は作劇術をそうとうに勉強してるようだ。むかし知人に「12人」の豊川悦司の役柄(あっというまに事件を解決に導いてしまう)が腑に落ちないといったところ、あれはギリシャ悲劇の機械仕掛けの神みたいなものじゃないかといわれ、はっとしたことがある。舞台転換のドタバタを祝祭的にみせてしまうあたりは演出家としての力量もすごい。多数の登場人物をみごとに捌き、しかもきっちり全員が笑いをとれるようにしている。やはりシチコメを標榜する某劇団が物真似みたいな劇をやってたんだけど、格が違うんだな。

 新劇にたいする揶揄と畏敬がまじっているけれど、それだけでなく、なぜか一部で過大に絶賛されているインチキポストモダン演劇「ハムレットマシーン」への皮肉もまじっているように見受けられる。

 かくして、今日も正義は、幸吉によって守られた。

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
東京サンシャインボーイズ「ショー・マスト・ゴー・オン」 聖なるブログ 闘いうどんを啜れ/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる