聖なるブログ 闘いうどんを啜れ

アクセスカウンタ

zoom RSS コール夫妻の探偵小説

<<   作成日時 : 2016/02/12 19:55   >>

トラックバック 0 / コメント 0

新たな評論の、ばくぜんとした構想はあるのだが、具体的にどっから手をつけたらよいかわからない。考えが浮かぶまで、しばし関係ない本(小説)を読む。

 コール夫妻の探偵小説は、創元推理文庫・江戸川乱歩編『世界短編傑作集2』に収録された「窓のふくろう」が最初だった。紹介文には「すべての人が、これがウィルスン警視の物語では、いちばんいいという、とエラリー・クイーンがいっている。それで収録した」とそっけなく書かれていて、これを読むかぎり、乱歩はこの作品をあまり評価していなかったように思われるのだが、じつに面白かった。機械的トリックとして、同書に収録されている「ブルックベンド荘の悲劇」や「好打」よりはるかに出来がいい。ディクスン・カー『三つの棺』の密室講義でも、このトリックが最も優れた機械的密室トリックと評されていたと記憶する。
 やはり創元から出た、チェスタートン編『探偵小説の世紀』にはコール夫妻の「犯罪学講義」という短編が収録されていて、この本自体は凡作が多いのだが、この作品も面白かった。で、代表作の『百万長者の死』を読みたいと思っていたのだが、あいにく探偵小説への情熱を失ってしまい、三十年以上経過して、去年、神田の古本屋で、当作が入った東都書房世界推理小説大系16をみつけ、200円だったので購入し、今年になってから読み始めたのだ。
 正直前半はかなり退屈だった。「叙述が克明である半面、冗長な点が多いという不満が見られる」と解説の中島河太郎が指摘しているとおり、なんともまどろっこしかった。
 面白くなるのは後半の第二部からだけど、それも松本清張の社会派推理や、城山三郎・清水一行の経済小説ほど洗練されたうまさはない。まあ凡作といったところか。
 コール夫妻の小説は長編だけでも三十三冊あるらしいが、他に一冊が翻訳されているだけで、入手可能かどうかわからない。図書館にあるなら、読んでみてもいいのだが…
 と思っていたら、つい数週間まえに短編集『ウィルソン警視の休日』が論創社から出されたばかりではないか!傑作「窓のふくろう」も「電話室にて」の題で収録されているようだ。
 やはり探偵小説は短編にかぎる。

 ところでアグノンという作家をご存じだろうか。俺はつい最近まで知らなかった。ノーベル文学賞を受けたイスラエルの小説家だという。
 一年以上前、近所の中古書店でノーベル賞文学全集がまとめて売られていた。そのうち幾冊かは学生の頃に読んだことがある。
 ノーベル文学賞といっても、知らない名前は多い。スタインベックとともに一冊になっているアグノンなる作家は、ヘブライ語で小説を書いた人だという。ユダヤ教には関心があるので、買って、短編五作が収められているのだが、うち三作を、最近ようやく読んでみた。民話的寓話的な、ちょっと不条理な小説。「操の誓い」という作品は、自然主義的恋愛小説かと思えば、最後はいきなり幻想的になる。わりと面白かったが、これらの短編がアグノンの文学世界でどのような位置を占めるかはわからない。解説に収録作への言及は一切なされていないのだ。
 長編も読んでみたいが、翻訳は同書所収の五作しかないらしい。ノーベル賞作家といえど必ずしも優遇されているわけではないのだ。

ほかにも読みかけの小説や戯曲があるので、またいつか報告したい。
かくして、今日も正義は、私によって守られた。

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
コール夫妻の探偵小説 聖なるブログ 闘いうどんを啜れ/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる