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zoom RSS 芸術小説 超探偵・高橋節夫の事件簿2

<<   作成日時 : 2017/06/22 20:27   >>

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   2超密室! 豚高闘竜殺人事件

 私はこれから、私たちが遭遇した、世にも恐ろしい事件について語らなければならない。
 私は、この事件についてだけは、決して語ることはないと思っていた。だがついに、封印を解き、語るべきときがきたのだ。決して語るべきではないと思いながらも、その半面、心の奥底では、これを語り残したまま死ぬことはできないとさえ思っていた。それほど、これは恐ろしい出来事だったのだ。

 豚高闘竜から手紙が届いたのは、超探偵・高橋節夫が下呂綿痢魔逆津殺人事件を見事解決してから、一月ばかり経ったある日のことだった。
 豚高闘竜とは、かつては体重120キロを越え、霊長類ヒト科最強とさえ呼ばれた格闘家だったが、巨万の富を蓄えたのち、人目を憚るように海を隔てた小型の人工島に隠棲し、誰にも顔をあわせることなく、暮らしている謎の男だった。
 気持ち悪いうえに瘠せこけた体重60キロの貧弱で邪悪、インチキで愚劣な豚と蛇の化身、豚高透がいつ筋肥大し、闘竜と名乗るようになったのかを知る者は少ない。私は、その若き日の、透という本名を名乗っていたころの豚高を知っていた数少ない一人だった。
 手紙には、久しぶりに旧交を温めたい、ついては自分の邸宅に招待するから、指定された日時に東京湾へ行き、手配された船に乗ってくれ、といったことが簡潔に記されていた。しかしどうも胸騒ぎがする。おもいあまった私は、このところチャンツイイイがお気に入りの超探偵・高橋節夫を訪れ、相談した。高橋節夫は太りすぎ解消のためと称してダンスダンスレボリューションに興じていた。
 驚くべきことに、高橋節夫のもとにも、豚高からの招待状が届いていた。高橋節夫も、若き日の豚高を知っていたのだ。高橋節夫は、私宛の手紙と自分宛の手紙を見比べながら、嬉しそうに言った。
「これはどうやら不吉なことの前兆だよ。なにせ僕の行くところ、必ず殺害事件が起こるのだからね。今回殺害されるのは、豚高か、僕か、それとも君か」その言葉に憮然とする私に高橋節夫はこうつけくわえるのだった。「大丈夫、たとえ誰が殺害されようとも、事件はすべて解決してみせる。殺害されるのが、僕でないかぎりはね」

 こうして私と高橋節夫は、指定された日に東京湾の船着場へとやってきた。そこには私たちのほかにも、豚高から招待を受けた者が待っていた。彼らを素描してみよう。

 山田レイゼンビー:パズル雑誌の編集者。非論理的なことを口走り、場を混乱させてしまうことが多い。露出狂にして女装癖あり。
 田中クロコップ:演劇プロデューサー。通称ターナー。明るいストーカー。留学経験でものにした、キレのあるアメリカンジョークを連発し、われわれをつねに不快にさせる。髭が濃く、中年太り。
 鈴木肛:無職。有名な新聞王、鈴木ケーンの三男で、悠悠自適の生活を送っているらしい。目の下に隈があり、よく化粧していると間違われる。
 チンポ佐藤:画家。いつもベレー帽をかぶっている。調子はいいが、腹では何を考えているかわからない。髪の毛の量は多いが、すべての歯のあいだに隙間がある。
 木村利浩:用務員。学生時代は官僚を目指していた。つねに何かを考えている。食事の前にはかならず手を合わせ、「いただきマウス」と挨拶する。飯を食いながもらつねに何かを考えているため、食事の速度は遅い。ほっぺが赤く、ジョリっとしており、人の意見に賛同すると、「正論だぁ〜」と甲高い声をだす。

 今回招かれたわれわれ七人は、私と高橋節夫をのぞけばたがいに面識はなかったが、みな豚高の秘められた十年前の透時代を知っているという共通点を持っていた。
 東京湾から船に乗り、波に揺られ、海を漂い、四日が経過したとき、ようやく海洋豚高邸・さくらい荘がみえてきた。その銀色に輝くドーム状の建物は容易に人を寄せつけず、内側から梯子が降ろされないかぎり侵入できないように設計されているらしい。上方には二基の巨大な風車が据えつけられており、風力・波力・太陽光の発電装置によって動力を供給しているのだった。食料その他の必需品は毎週一度だけ、貨物船で運ばれてくるのだという。金属の軋む音を立てて、ゆっくりと扉が開き、梯子が降ろされ、われわれはついに豚高邸に足を踏み入れることとなった。頭の禿げた貧相な中年の召使いが現れ、われわれを出迎えた。男の名はハゲ曽根といった。
 監視装置の備えつけられた人ひとりがやっと通れるだけの狭い階段をのぼり、宴会場へつくと、もうひとり、太った中年女の召使いがおり、ロミヒーと名乗った。やがて見事な肉体をさらした上半身裸の豚高闘竜が快活な笑い声をたてながら姿を現した。
「ようこそ皆さん! 不来の相にして来り、不見の相にして見ゆ」
と彼は謎めいた挨拶をし、ふたたび快活に笑った。豚高の120キロを超える身体は、現役を退いた今日でもいささかの衰えもみせていない。その盛りあがった右肩には「闘」、左肩には「竜」の文字が彫り込まれている。私たちが知っていた豚高透は陰険な人物で、いままのあたりにしている肉体美はもちろん、このように笑い声をあげるなどということはなかったと思い出した。しかし、眼鏡の奥のまなざしは、むかしながらに蛇のような陰険な光を宿しているのを、私は見逃さなかった。
 私たちが知っていた豚高透、それは貧弱で邪悪で陰湿で人の陰口をひそかにささやき、ふれまわり、そのうえ典型的なゴマスリ人間で、本当は頭が悪いくせにインテリぶって、質問されると何も答えられず、しどろもどろになって声まで変わってしまうお粗末な男だった。私は何度この男が死ねばいいと願ったことだろう。おそらくここに集まった他の人間も同じ思いを抱いたはずだ。そんな汗をかかないプラスチック的な脆弱にして稀薄な身体性を持っていた滑稽で醜悪な男が、われわれのまえであたかも威嚇するように筋肉質の肉体を誇示している。
 やがて豪勢な料理が運ばれ、豚高を上座にして、われわれは席に着き、杯を手にし、「いただきマウス」という木村の掛け声とともに、注がれた液体を飲み干した。それはこれまで飲んだことのない芳醇な味わいだった。
 宴会場、といってもふだんは豚高ひとりの食堂なのだが、そこは円形をしており、いま豚高の座っている席の後ろには三つの扉がみえ、反対側は厨房となっていて、ハゲ曽根とロミヒーが調理を担当し、出来上がったご馳走を運んでくる。部屋にはどこを見渡しても窓のようなものはなく、われわれがはいってきた厨房近くの入り口以外には、外へ通じる出口はなかった。
 われわれは豪華な食事と酒に酔いしれていた。豚高が「ちょっと失礼する」といい、席を立って背後の扉を開け、中へ入っていったのはいつごろだったか、もはや誰も気にとめはしなかった。われわれは心地よく酔い、誰ともなく歌い始めた。

  豚高がつくったお酒に私は酔ったよ
  愉快な 楽しいお酒に私は酔ったよ

 ふしぎなことに、われわれ全員がこの歌を知っていたが、いつどこで覚えたものかは記憶していなかった。おそらく、豚高透にはじめて出会ったころのものだろうということで、皆の意見は一致した。
「それにしても、豚高はどこにいったのだろう」と、私は思った。彼が姿を消して、もう数十分が過ぎていた。彼はたしかに後ろの扉のひとつを開けて入っていったが、それがどの扉だったか、正確に記憶しているものはいなかった。事前の説明によれば、三つの部屋はそれぞれ、豚高の寝室、それに浴室、手洗所ということだった。
 透時代の豚高については、誰もが口にするのを躊躇っていた。豚高自身がそれを嫌がっていることは間違いなく、あるいはここに皆が集められたのは口封じのためではないかという、不吉な予感を覚えるのだった。あの、狭い船に閉じ込められている四日間でさえ、われわれは豚高の話題を口にすることだけは忌避していた。船内の会話が盗聴されている可能性は否定できない、いや、充分すぎるほどに考えられることだったからだ。
 しかしいまや、われわれは不思議な酒の力でしたたかに酔い、口が軽くなっていた。自然と話題は、透時代の豚高へと移っていた。恐怖心は麻痺していた。
「豚高の野郎は何処へ行きやがったんだ」と山田が言った。
「奴は逃げた」と田中が答えた。
「奴がどんなに嫌な奴だったか、知っているか?」と鈴木。
「正論だぁ〜」と木村。そして皆は、姿が見えないのをいいことに、豚高の思い出話をはじめてしまったのだ。
「ねえ、あんたら知ってた?」と佐藤が話し始めた。夜間大学に通いながら料理屋で皿洗いをしていた豚高透は、ろくな皿洗い技術も持たないのに、料理長に巧みにゴマをすり、出世しようと狙っていたのだ。だがあるとき、皿洗いに必要な身体性という言葉をひけらかす豚高に、同僚の佐藤が身体性とは何かと問うた。豚高は答えられず、赤っ恥をかき、バカにされまくり、お坊ちゃん育ちで人を見る目のない料理長がひきとめるのもきかず、逐電してしまったという。皆の思い出も、ほぼ同じようなものだった。どうやら豚高は、われわれのまえで似たような経験を繰り返していたらしい。身体性への異常なこだわりが、豚高の筋肉を危険な薬物によって増強させたのだということで話はまとまった。「正論だぁ〜」と木村が甲高い声をあげた。
 全裸になった山田が立ちあがり、扉のひとつに向かった。われわれはいつしか尿意を覚えていた。
 山田はひとつひとつの扉の取っ手を掴み、言った。
「どれも鍵がかかっている」
 不審に感じた私たちはハゲ曽根に尋ねてみた。ハゲ曽根は驚き、つぎのようなことを言った。それぞれの部屋の扉は電磁式になっており、内側からしか操作できない。したがって、豚高がなかにいるとすれば、鍵がかかっている扉はひとつしかないはずだ。全部の扉が開かないということはありえないのだ、と。
 しかし現実にすべての扉が開かなくなっている。ハゲ曽根とロミヒーは震えだした。
「中に誰かいるのです……」
 われわれはおのおのの扉を叩き、豚高を呼んだ。返事はない。
「中に入る方法はないのか?」田中が訊いた。
「すべての電源をいったん切れば、電子錠は解除されます」とロミヒーは答えた。
 そこで私たちは、なかに誰かがいても逃さないよう、三人一組になってそれぞれの扉の前に陣取り、電源を切ってから、部屋に入ることにした。私は、高橋節夫と木村といっしょに、真ん中の寝室の扉の前に立った。心なしか足が震えていたが、それはほかの二人も、いやたぶんここにいる全員がそうだったにちがいない。
 ロミヒーが電源を切った。一瞬だけ場内の明かりが消え、ふたたび灯った。「これで解除されたはずです」とロミヒーは囁くような声で言った。
 われわれは扉を開き、突入した。目に飛び込んできたのは、寝台のうえに置かれた、瘠せこけた豚高の生首だった。首はわれわれを涙目でみつめ、蚊の鳴くような声で、
「痛い…」
とつぶやくと、やがて首はとろりと目を閉じ、命は豚高を離れ去った。
 切り取られた生首が口を利いたということは、その首が切り取られて間もないことを意味している。私たちはすばやく部屋の内部を確かめた。調度品はなにもなく、人が隠れる場所もない。窓も、ほかの出入口もなく、ただ換気扇があるだけだった。
 浴室へ行くと、鈴木・佐藤・ハゲ曽根が呆然と立っていた。湯船の中には首を失った瘠せこけた胴体が、三分の一ほどに減った水につかっていた。死体は首だけでなく、おちんぽも切り取られていた。
 手洗所の扉の前には、怯えきった山田・田中・ロミヒーが言葉を失い、蒼ざめた顔で佇んでいる。私は中を覗きこみ、驚愕した。
 萎びた臭いおちんぽが、便器の中に浮いていた。その、すっぽりと皮に包まれた先端からは、まるでドライアイスのように白い煙が噴出している。
 切り取られたおちんぽの先から白い煙が噴き出ていたということは、そのおちんぽが切り取られて間もないことを意味している。
「これは一体どうなってるんだ?」佐藤が半狂乱になって叫んだ。
「これは、完全なる密室殺人じゃないか…」
全員が蒼ざめたまま、黙って俯いていた。私は遺体をすべて寝室に運ぼうと提案し、皆で実行した。
 寝台に横たえられた首・胴・おちんぽの切り口は、ピタリと一致した。そのときになってはじめて、瘠せこけた死骸が、さっきまで生きていた体重120キロの豚高闘竜ではなく、十年前に私たちが知っていた60キロの豚高透だということに気がついた。
「一体どういうことなんだ!?」ふたたび佐藤が叫んだ。沈黙がわれわれを支配し、誰もがその支配から逃れようとしていた。
「豚高が萎んでしまった」情緒的な事態の確認でしかないが、沈黙の恐怖から逃れるためには、こんなことでさえも口に出さずにはいられなかったのだ。「正論だぁ〜」と木村が甲高い声をあげた。われわれは泣き叫び、そして歌った。

  豚高が萎んでしまったよ
  豚高の死体は三つに分割されているよ

 そのうちにいくらか冷静さを取り戻したわれわれは、状況をしっかりと把握しようということになった。まず死体が発見された三つの部屋を綿密に調査した。それぞれに小さな換気口があるだけで、やはり人の出入りは不可能。ハゲ曽根は電磁扉について説明した。それによると、扉の内側につけられた釦を押すと強力な電磁波が発生し、完全に固定してしまう。外側から開けるためには、電源を切る以外に方法はありえない。われわれは何度も実験を試みたが、外から扉を開ける方法も、中から脱出する方法もみつけだせなかった。
 山田がとつぜん声をあげた。「この海の上の建物にいるのは俺たちだけなんだろう。ということは、犯人は俺たちの中の誰かだってことじゃないのか?」
 われわれははっとした。「正論だぁ〜」という木村の甲高い声が聞こえた。たしかに、宴会場にいたのはわれわれ九人だけだ。しかも、宴の最中、誰が席をはずしたかなど、気にとめていない。もしかすると、豚高のあとを追い、部屋に侵入した者が、あったのかもしれない。このなかの誰かが、豚高を殺害し、そしらぬ顔をしているのだろうか。
「だが待てよ、この死体と、さっきまでいた豚高は、ほんとうに同じ人間なのか?」と田中が言った。
 われわれはふたたびはっとした。「正論だぁ〜」という木村の甲高い声が聞こえた。考えてみれば、同じ人間がわずかのあいだに60キロも瘠せこけてしまうなんてことがありうるだろうか。部屋にはあらかじめ三つに切り分けられた死体が用意されていて、豚高はそこから、なんらかの仕掛けを使って脱出した、そう考えるほうが理にかなっているのではないか。
 鈴木はハゲ曽根の胸ぐらをつかみ、はげしく揺さぶっていた。「この野郎、俺たちを罠に嵌めやがったな!」
 ハゲ曽根は怯えきった表情でうろたえ、否定した。彼は事態をまったく把握できていないようだった。その目を見て、私は彼は嘘をついていないと直観的に確信したが、その直観が正しいかの自信も、いまは持てなくなっていた。使用人のふたりだって、豚高に恨みを抱いていないなんてことは、ありえない。それほど奴は邪悪な男なのだ。使用人のふたりこそ犯人と考えるほうが、正しいのかもしれない。
 ハゲ曽根とロミヒーが提案した。とにかくこの邸内にわれわれ以外の者がいて、建物から侵入脱出しているとすれば、必ずどこかの監視カメラに映っているはずだから、録画を確認してみよう、と。そこでわれわれは管理人室へ行き、保存された録画をさかのぼって調べたが、それらしい人影は発見できなかった。しかも肝腎の宴会場にはカメラが備えつけられておらず、誰が扉を開け閉めしたか、確認できない。
 とはいえ、邸の所有者である豚高が、なんらかの方法でカメラに映ることなく部屋を脱出するということは充分に考えられるのではないだろうか。
 ここで私にはつぎのような疑問が湧いた。この死体はたしかにわれわれが知っていた豚高透だが、だとするとわれわれを呼びだし、出迎え、宴を催したあの筋肉質の男、豚高闘竜は、はたして何者なのか? あるいはわれわれを呼びだした筋肉質の男が豚高だったとすれば、ここに横たわっている死体は何者だというのか? 120キロの豚高と、死んでいる60キロの豚高はたしかにそっくりで、ある程度の時間が経過していさえすれば、ふたりは同一人物と捉えて差し支えない。しかし、120キロの豚高闘竜が、ほんの小一時間ばかりで60キロの豚高透に変化するなどということが、物理的にありうるのだろうか?
 そして豚高が口にした「不来の相にして来り、不見の相にして見ゆ」という言葉の意味。さらにわれわれが知らず知らずのうちに口ずさんでいた、豚高がつくったお酒の歌。ここにきてから、すべてが謎に包まれている。

 かくして、われわれの思考は停止し、ふたたび沈黙が襲い、この限定された空間を覆いつくした。われわれは疲弊し、もはやこの謎を解く力は残っていなかった。そう、ただ一人を除いては。
 私は高橋節夫が口を開くのを待っていた。高橋節夫が口を開くとき、それは事件が解決するときだ。一分後、高橋節夫は口を開いた。
「事件は解決したよ」

  読者への挑戦状
 私はここで、読者に挑戦する。
 はたして犯人は誰か? いかなる目的で、またどのような方法で、密室を形成したのか?
 いまや、すべての手がかりは、提出された!


  解決篇

 高橋節夫はゆっくりとわれわれを見まわし、重重しく言った。
「犯人は糞田呪限無だ」
「糞田呪限無といえば、頭はでかいがチンポは臭い、あの、食い逃げ新聞記者か?」と山田。
「ああ」
「糞田呪限無といえば、庄屋で旗を盗んで逮捕された、邪悪な凶状持ちか?」と田中。
「いかにも」
「糞田呪限無といえば、罪もない人間をつぎつぎと排除する、あのスターリン主義者か?」と鈴木。
「そのとおり」
「糞田呪限無といえば、人にウンコをしてるとこを見られただけで奢らせる、卑劣で無能なインチキ野郎か?」と佐藤。
「まさに然り」
「糞田呪限無といえば、自民党支持者のくせして俺は反体制だとうそぶく、支離滅裂なクロマニヨン人か?」と木村。
「言い得て妙」
「でも、なぜ…」と言いかけた私をさえぎるように、高橋節夫は言った。
「宴の席でわれわれが飲んだ飲み物、あれはなんだったか、知っているかね?」
「いや、あれはかつて味わったことのない芳醇な飲み物だった…」
「あれこそが、ブタタカエッセンスなのだ」
「何ブタタカエッセンスといえば、豚高の体を水に浮かべ、その生命エネルギーを念力で水に転写しつくられる、幻の飲み物か!」
「そうだ。豚高闘竜は浴室に向い、湯につかり、われわれを洗脳するためのブタタカエッセンスを醸造していた。しかし造りすぎて生命エネルギーを放出し尽くし、120キロから60キロに萎んで、元の豚高透に戻ってしまった。糞田呪限無は筋力を失い衰弱した豚高を襲って殺害し、死体を三つに切り分け、密室を形成したのだ」
「チョッチョリーナー」
 これでこの話はおしまいです。

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