演劇の現状は? 其の弐

ブルースウイルス主演「RED」は、「ナイト&デイ」「エクスペンダブルズ」よりはるかに面白かったが、アーネストボーグナインが出ていたのにはびっくり。今年94歳だという。

さて、ネットを見ていたら、チャップリン研究家の大野裕之が一月に傷害で逮捕されたと書かれていて、またびっくり。
なんでも大野は元劇団員の葬儀に自分が呼ばれなかったのを、ある女性が連絡を廻さなかったからだといって、その子をひっぱたいたらしい。
大野主宰の劇団とっても便利はだいぶまえに見に行ったが、つまらなくてとちゅうで帰ってしまった。

それにしても、劇団内の暴力はいろいろ噂を聞くが、表沙汰になることは少ないのではないか。
灰皿投げる某演出家など、まだおとなしいとさえ思われる。
死んだ戌井市郎の祖父にあたる新派の喜多村緑郎などは乱暴で、機嫌が悪かったというだけで弟子の花柳章太郎をぶんなぐって、さすがの花柳もこらえきれず出てゆくと騒いだとかいう話を、どこかで聞いた。
俺も新劇系の劇団にいたから知っているけど、こういう封建的・体育会的体質が温存されているから厭なんだよね。そのくせ政治的には左翼だったりして、おもてむきには民主的なこといってるんだ。福田恒存が演出家の独裁と全体主義の類似をみたのは鋭いけれど、かならずしも「進歩性」だけの問題ではなく、「封建性」の問題でもあると思う。

暴力行為で有名なのはやはり山崎哲だが、これは個人的資質が大きいようで、暴力依存体質というある種の病気なのだろう。
ある女優は公演チラシの自分の経歴に「山崎哲に殴られ網膜剥離」とわざわざ書いていたし、骨を折ったとか、妊婦の腹を蹴って流産させたとか聞いている。じっさい稽古に参加したやつの話では、殴る蹴るはもちろん、「オレはキチガイなんだぞ!」と叫びながら役者の喉元に鋏をつきつけて脅すという。異常だ。
理解できないのは、なぜそれほどの被害をあたえている人間がのうのうと芝居をやっていられるのか、ということだ。なぜ誰も訴えないのか。やはり演劇界は「真空地帯」なのではないか。

まいど非難しているゴミ劇評家某は、ある劇団で、バチバチ女性を叩きつづける舞台を、隠された暴力を顕在化させるもの、と評価していたが、現実認識が甘いのではないか。いまや暴力は日常にあふれているだろうに。その劇団の座長はポルポトを礼賛しているらしい。

演劇は、いまだ暗い、閉ざされた場所にあり、なによりも陰湿だ。これが演劇の異様な現状だったのだ。

この記事へのコメント

ガル
2012年06月02日 05:42
勿体ないですよね。色々と戦後60年もたっているんだからせめてこういった文化だけは自由になればいいのに
2012年06月02日 11:44
文化の担い手が、というか人間ひとりひとりが、みずからの創造性を自由に発揮することより、上の顔色を窺い、媚び諂い、下には威張り散らすという状況を変えなければ、どうにもなりません。決まりきったことだけを毎日こなしてゆくのがプロの演劇だと考えてるバカな劇団は潰れたほうがいいと思います。

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