大芸術!「マッハ! ニュー・ジェネレーション」

谷川貞治って失踪中なのか? そのうち死体で発見されるんじゃないか。

 というわけで、しばらくタイのアクション映画はご無沙汰だったので、すっかり下火になったのかと思っていたら、すごい作品が登場した。それがDVDで観た「マッハ! ニュー・ジェネレーション」。いやはや面白かった。

 ハリウッド映画出演オーデションを勝ち抜いた腕に覚えのあるスタントチームの若者たちが、彼らのパトロンらしい道楽息子に招かれ、町はずれの住宅で宴会を開く。友人の美少女や道に迷った音楽家などが現れ、楽しく時を過ごしているが、雇われた料理人たちとちょっとしたイザコザを起こしてしまう。
 翌朝目を覚ますと、車や電話が奪われている。狐につままれたような彼らを、とつぜん壁を突き破って自動車が皆を轢き倒し、道楽息子と美女を連れ去ってしまう。

 じつは映画出演とは真っ赤なウソ。料理人もそれぞれ凄腕の格闘家で、若者たちはコロシアムの戦士のごとく命を懸けて廃墟の中でそいつらと闘わなければならない。そこにはあちこちにカメラが備え付けてあり、世界各地から集まった大金持ちが観戦し、どちらが勝つかを賭けて楽しんでいるのだ。

 というお話は単純で、ジャッキーチェンの「香港国際警察」のはじめの場面とか、スチーブオースチン主演「監獄島」あたりを真似たと思えるが、それらよりはるかに素晴らしい出来。人間関係とかの説明がほとんどないまま進行するのでもどかしい部分はあるものの、ここらを説明してたらかえって興を削いでしまったかもしれない。

 日本刀を背負った忍者・オカマのバーテン・大男・四つん這いで動きまわる獣人・身を持ち崩したムエタイ選手・マサカリをひきずった不死身の鉄仮面・唖のドライバーなどがつぎつぎと襲いかかる。そして彼らを束ねる不気味な喘息持ちの初老の男はパンナーリットグライ監督自身が演じている。
 とにかくアクション場面は凄すぎ。ワイヤーぐらい使ってるかもしれないが、とにかくありえない動きをみせてくれる。金網と、むきだしのコンクリート屋根での格闘が圧巻。水の壁を隔てての殴りあいや、大型トレーラーの下での格闘など、斬新だ。音楽も軽快。

 とにかくなんでこれだけの傑作が日本で劇場公開されなかったのか不思議だ。配給会社も苦しい状況なのだろうが、観客ももっとこういうすぐれた芸術に食いついてほしいものだ。

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