TACT/FESTIVAL

更新がだいぶ遅れましたが、池袋の東京芸術劇場で「TACT/FESTIVAL」を観てきたよ。

海外の上質なパホーマンスを上演する企画なんだそうで、フランスとスイスの新しいサーカス、カナダとタイの劇団の公演を見ました。

フランスのカミーユ・ボワテル「リメディア~いま、ここで」を最前列で観たんだが、上演前に係員が、装置が落ちてくるかもしれないので席の移動を希望する方は案内します、といってきた。
移動した人はいなかったけれども、舞台いっぱい散らばった小道具が、ほんとにバラバラ落ちてきて、あげくは演者までおっこちてきた。
なんとゆうか、キートンやマルクス兄弟の映画、あるいはドリフのコントみたいな舞台。散乱するゴミとのシュールな戯れ。フィジカルシアターとオブジェクトシアターの融合とでもいったらいいでしょうか。けどそんなに感心するほどのものではなかった。

驚嘆したのはスイスのジメルマン エド・ペロ「ハンスはハイリ~どっちもどっち?!」だった。
小柄な女性がクネクネ動き、ポケット小僧みたいにすっぽり箱の中に納まってしまう。彼女はまるで背骨がないかのようだ。ちょっと年配にみえる男性は手足が柔らかく、妙な具合に折りたたまれてしまう。
これら演者ひとりひとりの動きだけでも素晴らしいのだが、衝撃なのは四つに仕切られたアバートのような部屋、というか部屋のような正方形の舞台装置。四人の男女を中に残したまま、それが回転しはじめるのだ。部屋が傾くと演者はよろめき、安定を求めて中を移動し、回転にあわせてあわてて動きだす。ひとりだけは足を固定され、そのまんまひっくりかえってしまう。
これはよっぽど計算しつくされた動きでなければ間違うと大事故になってしまう。外壁をつたって走る者がいれば、つきでた手すりにつかまってぶるさがる者、さらにその手足にぶるさがる者。空中ブランコの要領だ。ああ、やっぱりこれはサーカスの動きが基本なのだ、と感嘆する。
最初にフィリップドゥクフレをみたのはもう二十年も前のことだ。逆さに歩いたりゴム紐でゆわえられてビョンビョン飛び跳ねる演者に大いに驚いたもんだが、それ以来の感激かもしれない。もうちょっと長くこの回転部屋の場面を見ていたかった。

こちらは抜粋動画
http://www.youtube.com/watch?v=Ohnmag-BDjQ

終わって地下の広場ではカナダの劇団コープスのパホーマンス「ひつじ」が行われていた。羊のぬいぐるみを着た演者が柵に閉じ込められ、メーメー泣いている。羊飼いが観客のまわりをうろつき、ときおり、お客に乳をふるまったりする。会場の隅にもうひとりの羊がいて、お客にいじられたり、お客をいじったりしている。狼が襲撃して、羊を追いかけ、羊飼いに追い払われる。ま、そんなかんじ。

終わってさらに、展示室でタイの劇団B‐Floorの物体児童劇「ユーディの冒険」を。底に粘土をくっつけた紙コップが配られ、粘土をはがすとパコっと音がする。それを楽器にあわせて鳴らすのだ。
ユーディは布きれでできた少年。登場するのはみんな不用品で作られた生きものたち。栓抜きが鳥になり、貼りあわせた新聞紙が人食いアメーバみたいな怪物になる。以前見た、ラオスの人形劇に近いもの。やはりその世界観には、目に見えない精霊の存在が窺える。

ラオスの人形劇
http://oudon.at.webry.info/200511/article_16.html

かくして、今日も正義は、私によって守られた。

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