川原正敏『修羅の門』とか

「箱根八里の半次郎」は氷川きよしの歌だけど、某図案家は「コネとパクリの研二郎」だったわけだ。
やだねったら、やだね。

涼しくなったので読書がはかどる。小坂井澄『終末論の正体』 はかなり含蓄ある好著。《現状を是認できず、現状の根本的な変化、転覆を必然とするのが終末論である》という。終末論もまたイデオロギーなのだ。おいらはキリスト教に関して無知すぎるから、ここで紹介されているソロヴィヨフ選集やシュバイツアー選集、バートン・マック『失われた福音書』はぜひ読まなければなるまい。

佐々木裕之『エピジェネティクス入門』では獲得形質の遺伝についての仮説がとりあげられている。《環境からのストレスがDNAメチル化を変化させ、これが遺伝子の働きを変えて新たな形質が表れる。変化したDNAメチル化状態はそのまま子孫へ伝達され、そのため遺伝子の働きの変化と形質の変化も遺伝する。》はたして、キリンの首の長さもこれで説明がつくのだろうか?

武村政春『脱DNA宣言』によれば、DNAよりいっそう原的な存在としてのRNAが近年注目されはじめているという。DNAはRNAの進化形なのだ。DNAとともにRNAも遺伝情報として次世代に受け継がれる。こうした研究は、やがては分子生物学と行動生物学のすきまを埋めることになるだろうか。

最近は漫画を読まない。ゆいいつ読んでる連載漫画は木田康昭「喧嘩稼業」なのだが、休載ばかりでほとんど進行しないのでまどろっこしい。

さて、川原正敏『修羅の門』(文庫版)を風呂屋で見つけ、はじめの四冊ばかり読んでみる。
この漫画、二十年ぐらい前、仕事先の定食屋にあった単行本を二冊ほど読んだことがあるのだけど、あだち充みたいな画風が受け付けず、刃牙やタフのようには感心できなかった。その後知り合った、大言壮語するわりにまるで大したことないのでひそかに軽蔑していた男が、格闘漫画では『修羅の門』が一番面白いと発言したのを聞き、こいつが褒めるなら読む必要はないと思い。まったく手に取ったことがなかったのだ。
でまあ、読んでみたけど、やっぱり俺はあの絵はダメだわ。ナヨナヨして迫力ないし、主人公に感情移入もできない。
だけどこの作品が刃牙に多大な影響をあたえているんだと今回はじめて知った。さらに猿渡哲也のタフは刃牙から多大な影響を受け、喧嘩稼業は刃牙のパロディーというべきだろう。ということからすれば『修羅の門』はUWF以後の格闘技ブームを反映した漫画の先駆けとして評価すべきものなわけだ(ていうか、もう充分評価されているだろうけど)。しかしあの画風は非難されるべきだろう。
正直、陸奥圓明流なる無敗の秘伝総合格闘術を使いこなす主人公より、さまざまな流派の技を極めた相手選手のほうがはるかに魅力的に感ずる。

しかしやっぱり格闘技漫画の最高峰は『空手バカ一代』でしょうね。


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