O・J・シンプソン事件

DVDで「鑑定士と顔のない依頼人」という映画を見た。だいたいこんなオチだろうなとは予想がつくけど、けっこう面白い。自動人形で知られるボーカンソンがでてきて、興味をそそられたが、けっきょく小道具で終わってしまったのが残念。

 さて、行きつけの図書館でミステリー特集というコーナーがあって、W・ゲルタイス『名探偵は死なず』なる目立たない古びた本が置いてあった。目次をみると面白そうなので、借りてきて読む。これはなかなかの良書だった。
 探偵小説と、先行し、並行して発達した現実の犯罪捜査を取りあげているのだ。犯罪者から探偵に転じ有名になったビドックや、ハメットも所属していたアメリカのピンカートン探偵社、イタリアの小田晋とよばれたロンブローゾなど、手短だが要領よくまとめられており、これらについてもっと詳しい本を読んでみたくなる。
 ロンドンで最初に本格的な警察組織を作ったのは小説家のフィールディングだったとは初耳。フィールディングの伝記は読んだが、この件について触れられていたかは記憶にない。読み飛ばしたのかもしれない。

 数日前、テレビで「世界法廷ミステリー」という番組をやっていたので興味深く見た。まえにも同じ企画で、小説家の夫が大企業に勤める妻を事故死にみせかけ殺した容疑で逮捕され、裁判は二転三転し、驚愕の結末(?)を迎える事件をやっていて、かなり衝撃的だった。
 今回の目玉はO・J・シンプソン裁判。殺人容疑で逮捕され、灰色のまま無罪判決が下ったまでは知っていたが、その後の顛末は知らなかった。日本で報道されてたんだろうか?
 無罪になったシンプソンはビデオに向かって喜びながらついこう嘯く、「検察は殺人犯を逃してしまったな」と。
 諦めきれない被害者の父は民事訴訟を起こす。その熱意に打たれた弁護士は決定的な証拠を発見し、シンプソンにつきつける。これによってシンプソンは敗訴し、殺人事件の責任を認められ、何十億もの賠償を支払うことになり、困窮し、強盗を働き、逮捕され、禁錮三十三年の刑で収監中だという。思うのは、弁護士にくらべると検察・警察はいかに無能か、ということだ。

海外は知らぬが、日本のマスコミは何か事件が起こると直後は騒ぎまくるのに、裁判が始まるころにはすっかり沈黙してしまい、ほとんど報道しない。これは大問題ではないだろうか。

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