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zoom RSS 「バキ」は終わるのか?

<<   作成日時 : 2005/11/11 12:14   >>

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 十年ぐらいまえの話だけど、演劇の稽古をしてたとき、即興練習になると俺はいっつも「男塾」ネタをやっていた(てっとりばやくウケるのだ)。そしたらまわりの連中も感化されて、「男塾」を読みはじめ、さんざんネタにするようになり、俺は逆に複雑な心境になった。なぜならリアルタイムで連載を読み、真剣に親しんできた俺にとって「男塾」とは愛を捧げるべき作品であって、他の連中のように笑いとばすためのものでは断じてなかったからだ。そして、そのころ、「男塾」をギャグ漫画と勘違いしてた男が、もっとも面白いと奨めていた漫画が「グラップラー刃牙」だった。

 読みはじめて、小学生時分に「空手バカ一代」「四角いジャングル」などに親しみ、ブルースリーの映画にかぶれ、アントニオ猪木の異種格闘技戦に熱中した俺は、たちまち刃牙の虜になった。猪木×ウイリーに絶望し、のち梶原一騎が八百長を告白した本を読んで、プロレスから完全に離れた俺は、もはやU系プロレスもアルティメット大会もグレイシー柔術もK-1も知らなかったが、刃牙の世界はかつての七〇年代の異種格闘技戦の熱と匂いが濃厚に漂い、リアル格闘技漫画という惹句をそのままに信じてい、グラップラー=総合格闘家と思いこんでいた。ついでに「高校鉄拳伝タフ」も読み、これも面白く(「バキ」と「タフ」の関係は、「男組」と「男塾」のようなものだ)、やがてタフの世界を現実化したようなPRIDEGPでの、桜庭×ホイスで俺はすっかり格闘技の世界にのめりこんだのだ。
 そうして、実際の格闘技に親しんでいると、バキの世界がいかにふたむかしまえの格闘技観に覆われているかを感じないではいられない。たぶん板垣恵介自身もそう思ったのではないか。地下闘技場トーナメント篇を終えたあと、さすがに「グラップラー」はまずいとわかったのか、題名を「バキ」と変え、最強死刑囚との闘いという、異次元の物語に潜りこんでゆき、これははじめのうち面白かったが、どんどん衰弱し、作者が飽きてしまったような、終わったのか終わってないのかわからないかんじで別の話に移行してしまった。
 このごろはもうチャンピオンを立ち読みすることも稀になったが、最新号をたまたまみたら、その「バキ」がまもなく最終回を迎えるらしい。バキの物語自体がなんら収拾をつけることなく終わることは考えにくいから、題を変えるか掲載誌を変えるかなのだろうが、おもえば「男塾」も宮下あきらの才能が枯渇しつくしてなお苦しい連載をしばらくつづけていたものだ。「ドカベン」のばあいは水島新司がとちゅうで「大甲子園」の構想を思いつき、はやくそっちに移りたくてむりやり終わらせてしまったような感がある。「大甲子園」も面白いのははじめのうちだけで、あとは数年間もつまらない連載がつづいていた(しかし「大甲子園」の序章とよぶべき、「ダントツ」という漫画はなかなかの秀作)。「ドカベン プロ野球篇」に至ってははじめから作者の自己満足以外のなにものでもなく、一刻もはやく終わらせてほしい。門馬もときの「風飛び一斗」が二十年間連載しつづけて、いまだに面白く、絵の線もゆるんでないのは奇跡に近いだろう。
 つまり、いま「グラップラー刃牙」を読む者は、これを格闘技ギャグ漫画として受け取るのではないか。猪狩寛至VS金竜山なんて、ギャグとしても曙VSボビーオロゴンには敵わない。漫画が現実に追いぬかれてしまったのだ。

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