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zoom RSS 伝統芸能の一日

<<   作成日時 : 2009/01/11 09:03   >>

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 ひさかたぶりに国立劇場伝統芸能情報館の公演記録鑑賞会に行く。学生時代は毎月足を運んで忠臣蔵全段の公演映画を見たりしたものだ、となつかしく思いだす(まだ情報館は建ってなかった)。このたび見たのは、民俗芸能「万歳と大黒舞」。昭和五十四年に上演されたもの。

 演目を記すと、三河万歳(静岡)、越前万歳(福井)、桝取舞(山形)、恵比寿大黒舞(兵庫)、谷地大黒舞(山形)、さいとりさし踊(鳥取)、じゅり馬・高平万歳・京太郎(沖縄)というもので、全国各地の祝福芸が集められている。じつに面白く、素晴らしかった。
 とりわけおもしろかったのは越前万歳。じつに軽妙。なかでも三番叟は拍子といい所作といい、むかしはやった電線音頭みたい。
 さいとりさし、というのは鷹の餌にする小鳥を捕る職だそうで、身分は低いが天下御免の威光を笠にきて各地を荒らしまわったという。その横暴に反発した人人が酒宴で演じたのが、さいとりさし踊らしい。その軽快な足捌きが目に心地よく、どことなくコサックダンスを思わせる。
 京太郎(ちょんだらー)はもともとは沖縄で行なわれていた首掛け箱廻しの人形芝居の演目。人形芝居は廃絶してしまっているので、上演されたのは明治になってから人間が演じる舞台芸能として新たに創作されたもの。ちょっとエイサーっぽいかんじ。おそらく起源はいっしょなのだろう。
 むかし「笑っていいとも」で中村有志が首・胸・腹を順順に動かすマイムをやったとき、カメラはおのおのの部分だけを抜いて大映しにしてしまい、画面にはまったく芸として表わされなかった、というか何をやっているのかまるで理解できなかった。あるいはNHKで先代小さんの落語をみたとき、酒をついでいる所作の、手だけを抜いて映してしまっていたこともあった。落語家の全身をみれば手に持った徳利があらわれても、手だけが映しだされれば、そこにあるのはただの手いがいの何物でもない。そんなことがあるから俺はカメラマンの偉そうな職業意識をあまり尊重していないのだが、国立の映画は純粋に上演の記録として撮られているだけに、妙に画面に凝ったりしてなくて、そこがよい。

 地芝居をやってるところに本職の歌舞伎役者を連れていって住民に歌舞伎の基礎を教える、なんて企画があって、俺はそういうの地方文化の独自性の破壊にしかならないと思うんだが、その主宰者がえらそうに歌舞伎ナンタラとかいってただの商業演劇まがいの芝居やってるんじゃ伝統芸能もNPOもバカにされたもんだと思う。

 教育テレビ50周年記念とかで、古典芸能の貴重な映像を見る。学生時分は毎月NHK放送博物館へ通ってむかしの落語や歌舞伎を見たものだ、となつかしく思いだす。義太夫語り豊竹山城少掾の映像も残っているんだな、と驚き、時平の高笑いに感動。
 山城少掾といえば、古靱太夫時代(大正期だったか)の録音を復刻したCDが横浜の図書館にあって、愛聴したものだ。その後、寺子屋などを収録した復刻CD全集が出されたのだが、四万円ぐらいするので手がだせず、俺が行く図書館はどこも購入してくれず、買いたくてもどんどん金まわりが悪くなり、悔しいおもいをしているのだ。説経節の二代目若松若太夫はたしか引退後は、山城少掾に対抗して、武蔵大掾と名乗ったはずだ。
 四代目井上八千代の「長刀八島」もあったが、この演目は三代目八千代の映像も残っているので、どうせなら見比べてみたかった。七代目と八代目の幸四郎による「勧進帳」もそのうちじっくり見比べたい。それにしても、たっぷりとご覧下さいというわりにはブツ切りのような放映のしかたなので欲求不満。NHKはすみやかに「山川静夫の華麗なる招待席」を復活させてほしい。各機関が協力して、あちこちに残る秘蔵映像を整理して、まとめて見られるようにしてもらえないものか。

 そういえば年末にコマ劇場の特集番組をみたが、演歌嫌いの俺でさえ、そこで流れた曲の大半は知っていた。しかし現在はやりの音楽についてはほとんど知らない。文化の伝播・伝達が切断されているのではないか。そしてこれはかなり危機的な状況なのではないだろうか。


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コメント(2件)

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こんばんは。いつもお世話になってます。
DyDoのMです。

初めてこちらにお邪魔しましたが、
闘ううどんさんとても多趣味ですね。

半分位、内容がわからなかった・・・(笑)

それと、今朝の話ですが以下のフリーソフトなんていかがでしょ?

http://www.gigafree.net/media/dvdconv/dvdflick.html

ではでは
DyDoのM
2009/01/16 00:18
コメントありがとうございます。
まさか私が隠れて正義を守っているとは思いもよらなかったでしょう。
記事は初期のほうが読みやすいと思うので、ぜひご覧下さい。
私は極度に機械に弱いので、なかなか電脳空間には入っていけないのですが、なんとかソフトを手に入れたいと思っております。
ではまた。
闘いうどん
2009/01/16 07:37

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