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zoom RSS 黒沢明「用心棒」

<<   作成日時 : 2009/02/06 12:31   >>

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最近は悪との闘いそっちのけで秘蔵映像のDVDダビングに熱中してる。まだまだ録画が山ほどあるのだ。それにしても被害総額一億以上の詐欺事件に関しては死刑を適用すべきじゃないのか。

 そんなわけで古いビデオばかり観ていたのだが、ひさしぶりに衛星放送で映画「用心棒」をみた。去年の五月ごろにも放映されたはずだが、そのときは野暮用で見られなかったのだ。
 このたびは視聴者のリクエストで黒沢映画五作品を選んで放送する企画だそうで、順位は――
 1.七人の侍 2.赤ひげ 3.用心棒 4.生きる 5.天国と地獄
ということ。

 私が少年のころ、黒沢はコッポラ・ルーカス・スピルバーグなんかに絶賛され、神格化され、ひさびさの新作「影武者」が話題騒然となり、それとともに過去の作品「用心棒」「椿三十郎」「隠し砦の三悪人」「天国と地獄」などがたてつづけにテレビ放映されたのだが、とりわけ「用心棒」の面白さ完成度の高さは群を抜いていた。これらが面白すぎたため、肝心の「影武者」はちっとも面白くなかったのだ。てなわけで「影武者」以後の黒沢作品はみたことがない。

 ちなみに自分が選ぶ黒沢映画五本は――
 1.用心棒 2.生きる 3.生き物の記録 4.どですかでん 5.虎の尾を踏む男達
 といったあたりになるだろうか。

 聖人・広瀬隆も、正月に「用心棒」を見ながら酒を飲むのは無上の喜びだ、と書いてたし、本多勝一も痛快娯楽映画と書いていた記憶がある(本多の記述では「椿三十郎」から黒沢は退化したことになるのだったと思う)。「七人の侍」のほうが評価は高いけども、長すぎるし、戦闘場面は単調で、むしろ前半の侍探しが一番面白く、琵琶法師や人形遣いがさりげなく出てくるのが心憎い。しかしやっぱり「用心棒」が俺にとって圧倒的に最高傑作で、その後も七回ぐらい観ている。
 ひさびさに見返して思ったこと。
 なにより、悪役が魅力的。山茶花究・加東大介・仲代達矢のまったく似てない三兄弟が個性的だし、羅生門なる大槌持った巨漢は、むかしジャイアント馬場だと思ってたけど、どうやら元相撲取りらしい。この人は大島渚「太陽の墓場」にも出ていた。仲代達矢の拳銃使いに三船敏郎の三十郎がどう対抗するかもワクワクしながら見たものだ。
 しかも当世風ハリウッドのコマ切れアクションに消化不良を起こしている身には、画面いっぱいに走りまわる人人の動きが目に与える快楽は絶大だ。「隠し砦」での騎馬場面にしろ、黒沢演出の活劇は現在の米映画よりはるかに興奮させられるのだ。
 問題があるとすれば、ヤクザどもがさほど極悪に描かれていないことで、そのため彼らを争わせ全滅させようとする三十郎がもっとも邪悪にみえ、ヤクザたちにいくぶん同情してしまい、これでは勧善懲悪にならないのではないか。あるいはそこは意識して作られているのかもしれず、たしか「椿三十郎」では逃げまどう丸腰の下人まで無惨に切り殺してしまう場面があったはずだ。正義の味方のような人物が、もっとも危険で邪悪だということなのだろうか。それとも、正義のためにこれくらいの犠牲はやむをえないということなのだろうか。

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