キネティック・アート展

ここ最近は「オランダ・ハーグ派展」「ヴァロットン展」「現代美術のハードコアはじつは世界の宝である展」などを見、刺激的だったけど、損保ジャパン東郷青児美術館でみた「不思議な動き キネティック・アート展」は、こりゃめちゃくちゃ面白かったわ。

二十世紀の「動く芸術」という観念は未来派に遡り、モビール彫刻などが先駆的存在だけれど、今回紹介されるのは、1950年代からはじまるイタリアの芸術集団による作品を中心にしている。ここに属するジャンニコロンボの展覧会はむかし草月美術館でみたけど、そんなに面白い印象はなかった。

うねる曲線を画面いっぱいに描いた絵から、しだいに電気仕掛けで動く作品へと移行するようだ。日本でいえば山口勝弘の美術作品や松本俊夫の実験映画に近いもの。動く光と影が、心地よく視覚中枢を刺激する。

いちばん面白かったのが磁石で砂鉄による模様を作ってゆくもの。うごめく砂はアレクセイエフの針動画「禿山の一夜」を思い起こさせる。

図録を買おうかと思ったが、動かない写真じゃ快楽は得られないのでやめてしまった。これらの感動は言葉では伝えられない。百聞は一見に如かず。まず見てほしい。文化村美術館で来月開かれる「進化するだまし絵展」とあわせて見ることをおすすめします。

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